やっぱりなぁ〜!

  酔っ払いの花見客を避けたくて、中目黒や代々木公園は避けたいと思っていたけど
 何処を走っていても、客が皆花見に! 
 有楽町から東京見物に見えた金沢からの家族が「原宿と中目黒に行きたいんですが!」
 目黒川の桜のトンネルが地方にも知れ渡っているんだ。 人が少なきゃ最高だけどね。
 案の定、物凄い人出。 渋谷のハチ公前のスクランブル交差点も真っ青の人出!
 車も満足に走れない!  やっと渋滞を抜けて一息附いてると、
 「駕籠屋さん、洗足池までお願い」 又、花見だよ! 一日中、花見客と一緒。
 まだ花見に向う人達なので、酔っ払いが居なかったのが幸いだけど。
 夜は一変して、都民総酔っ払い状態。
 浜離宮で乗せたカップル「浜松町へやって!」「へっ?」 「浜松町!」
 一寸待ってよ「お客さん、此処、浜松町だよ」「どこが〜?」「そこ!」
 駅まで20M位。「そう、んじゃ、いいや!」勘弁してよ。8割方そんな客。

 そんな中、荏原まで乗せた客を降ろした時、若いお穣ちゃん(二十歳位かな?)が窓をノックしてから
 しゃがみ込んでる。どうしたのかと車から降りると、
 「いっつ〜!痛いんです、胃が。この近くに救急病院知りませんか?」
 「大丈夫? 今調べてあげるから車に乗って待ちなさい」
 無線室に日曜もやってる救急病院を訪ねたら、近くでは昭和大学病院しかなく、取敢えず連れていった
 うずくまって歩けないみたいなので、抱きかかえて救急窓口まで行くと、看護婦さんが処置室へ
 連れていってくれたけど、「お父様こちらへ!」「ちゃうでぇ」
 「患者さんのお名前と。あっ、お穣さんの生理は何時でしたか?」
 名前も知らないし!、ましてや実の娘だってそんな事解るわけねぇ〜だろ!
 事情を話したら、やっと納得したみたい。
 行きがかり上2時間も附き合っちゃったよ。 暫くしてから婦長さんから説明が。
 なんで俺が?しようがね〜か!
 身体に悪い処はなくて、精神的な胃痙攣だったとか。
 処置室から出てきた嬢ちゃんは点滴を受けて顔色も良くなって、照れ笑いをしながら
 「有難うございました。お陰さまで良くなりました」 良かったな〜!
 話を聞くと、就職して東京に来て研修を含めてまだ一カ月なんだって。
 北海道から東京に来て、アパートで独り暮らしなんだけど、知っている人は研修仲間と
 会社の人だけで、日曜日なので誰にも連絡が取れなかったんだって。
 忙しくてアパートの周りに何が有るかも、どうなってるかも解らないんだって。
 「有難う御座いました、本当に助かりました。良ければ連絡先を教えて頂けますか?」

 今日北海道に居る両親から丁重な御礼の連絡が有った。 又、娘が一人増えた。
 困った事が有ったら連絡しろよ!