お水取り… 備忘!

   友人のはなちゃんが、お水取りに行った話が。実は私は高校時代に凄く仲良くしてたGFとデート
  してて、彼女の家の門限が10時。 つい別れ難く1〜2時間遅れる。
  すると必ず父親が門の前に和服で腕組みして待ってた。 数回続いた後、
  ある日彼女の両親が家に来て
  「お宅のご子息と家の娘が仲良くしているのは知って居ましたが、娘の門限は10時と言う事は
   知って居るはず。知って居て約束を破るのは許せない。」
   親父が平身低頭してた。 彼女の父親は著名な国文学者で、家の親父とも交友が有ったって!
   「お宅のご子息が自覚するまで娘と会う事は控えて欲しい」と
   

   自室で耳をダンボにして聞き耳を立てて居たらそんな話。それから家に上がって酒を呑んで
   世間話が始まった。 小一時間してお開きに為る時母に呼ばれて客間に。
   部屋に入らず廊下で、「申し訳有りませんでした。今後気を付けます」 「うむ!」
   
   二人が帰った後、しっかり怒られるだろうな!と思って居たが、親父は
  「何処で知り合った? でも向こうの父親の気持ちも解るから暫く会うな!」
  意外と怒って無い。 お〜っ!助かった。

  10日くらい経って親父に「来週から小石川の伝通院の小室先生の処に週三回通いなさい」
  え〜っ! 小室さんって親父の友人で怖い裏千家の婆ちゃん先生。婆ちゃん先生が家に来て
  人の家なのに、畳の縁を踏んじゃ駄目! 襖は膝を付いて!とかうるさいばあちゃん。
  「そうしたら、クラブ(アメリカンフットボール)に出られない。」 「少し休め!」で決定!

  拒める状態では無かったので行く事に。昔何度か年始などで行ったので場所は解る。
  行ったら「いらっしゃい、良く来たわね、一緒にお勉強しましょっ!」だって
  えっ勉強?一番苦手なパタ〜ンじゃん!  「お茶を頂いたら置き換えなさい」って作業着を。
  長屋門を右に行くと母屋、左の飛び石沿いに行くと栞戸が有り先に御茶室。三間位の道が
  そこに「藪柑子」と言う木が。そこから「待合い」と言うのが有って茶室のご用意が出来るまで
  お客にお待ち頂く場所。 お仕度が出来ると待合にお迎えに、茶室の手前に左側に手水に行く道が。
  飛び石を渡り手水に。手前の大きな石が「袴ずり」。右の石は「手明かり石」(雪洞を置く石)
  手水鉢から柄杓で水を取り口を漱ぎ、手を洗う。その下の黒玉石の水が流れる処が「海」
  それから茶室にご案内する。茶室に行くと必ず躙り戸がお客が手を掛け易い様に
   二寸くらい開けてある。
  にじり口と踏み石の間にも二寸位開いてる。 お尻から入り、後のお客の為、自分の履物を合わせて
  立てる。正客が入り腰を廻し亭主に挨拶が済むと、次の客が・・・

  その茶席の為に準備をする。「栞戸からお掃除をして下さい」 竹箒で掃いて綺麗に。「終わりました」
  「はいっ、その葉を元の処に撒いて」 えっ、何で掃いたのに!
  「後、やぶこうじに水を打って、たっぷりね」 木桶から柄杓でたっぷりと。「終わりました」
  「はいっ、それでは、葉っぱの水をこの手ぬぐいで拭いて下さい」え〜っ、なんで?
  「お客様の御召し物が塗れるでしょ!」だって。帰ってから撒きゃぁいいのに!
   そんな事ばかり!
   有る時「初釜」の時、一月の寒い松が明けた時期、初釜の為に明治神宮の「清正の井戸」まで 
   お水取り。
   白装束、白袴で。一応簡略な水凝り、手と口を漱ぎ濡れた手ぬぐいで首を拭く。寒かった。
   原宿まで行くと。周りは皆カっプル。ダッフルコート着ててを繋いでさあぁ! チキショウ!
   つの樽にお水を頂いて、社務所でお祓いをして頂いて戻る。
   本当に色々な事したけど六か月間、真面目にやって置けば良かったなぁって思った!
   
    行く時は嫌で嫌でたまらなかった! 嫌なペナルティーだった!
   帰る時判子を貰うんだぜ。 夏休みのラジオ体操じゃないんだから!
   
   六か月の刑期が満了した時、両親と先生と俺で食事。
   先生が「宣ちゃん見込みが有るから続けたら?」
   親父が驚いた顔してた!  家に帰る途中親父がニヤニヤしながら、「お前の事褒めてたぞ」だって!

   不純異性交遊(Hも無いのに!)のペナルティーだった! 
   クラブに出ると、「おめぇ何やったんだよ?」「何もしてね〜よ」「嘘付け?」

   懐かしい思い出だぁ!(内緒話、うっせい婆ちゃん先生だった!)